2005年04月21日
「全国紙」とは何か? [ ジャーナリズム考現学 ]

ゴルフやテニスのUS Openは、なぜ「全米オープン」と訳されているのだろうか?単に「米オープン」でいいような気もするが「全」を付けた方が、国を挙げたイベントであるという印象を与えようとしているのだろうか?
「全米デビュー」って何?宇多田ヒカルは、アメリカの津々浦々を回っているのか?
「1億2千万人の日本人がいま、ジーコ・ジャパンの勝利を祈っています!」。本当に?
どうして、人はものごとを大きく見せようとするのだろうか?もう少し落ち着いて、等身大で伝えようではないか。
「全国紙」というのも、そうだ。「全国、どこでも読まれている新聞」と思われがちだが、そうではない。当然、ムラがある。
図は、朝日、毎日、読売、産経、日経の5紙が合計で、各都道府県における占有率を表している。数字はジェネバ・ジャパンのサイトから。
5紙が6割以上の占有率をもっているのは、首都圏と近畿、福岡・山口である。読売が1000万部、朝日が800万部と、全国でみれば発行部数は多いが、都道府県別に見れば地元紙が圧倒的に読まれているのだ。
ということは「全国紙」といいながら、実は「首都圏紙」であったり「関西紙」であったりするのだ。
地方によっては全国紙を「都会紙」と呼んでいるという。
全国紙は、全国に支局を置き、2ページほどの地方版を設け、各地方に気を配った紙面づくりをしているという。しかし、各地方のニュースは地元紙にかなうはずがない。しかも、全国紙の記者たちは数年おきに転勤し、その地方に愛着を持つ人たちではない。人事も、本社がある東京や大阪を軸にしている。
全国紙の実態は、「首都圏紙」「関西紙」である。それを自他ともに認めようではないか。そうすることで、様々なメリットが考えられる。それについては、次回。